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2025.03.19
プレスリリース

JTOWERとメトロウェザー、JTOWER保有通信鉄塔を使用する世界最大規模のドップラー・ライダー精度検証センターとなる「柏原精度検証センター」を開設

株式会社JTOWER(以下「JTOWER」)とメトロウェザー株式会社(以下 「メトロウェザー」)は、大阪府柏原市に所在するJTOWER保有の通信鉄塔を運用し、メトロウェザーが手がけるドップラー・ライダーの精度検証を行う「柏原精度検証センター」を開設したことをお知らせします。ドップラー・ライダーの精度検証センターとしては、現在のところ世界最大規模となり、国内初の開設となります。

メトロウェザーは、高精度なリアルタイム風況観測を行うドップラー・ライダーを研究開発しております。ドップラー・ライダーを活用した社会課題の解決に向け、現在はアメリカ航空宇宙局(NASA)や防衛省等の研究開発プロジェクトへ参加するなど、国内外の様々な企業・研究機関との共同研究や実証を進めております。また、小型高性能ドップラー・ライダーの量産化を進めるフェーズにも入る上で、ドップラー・ライダーを定常的に評価・検証・動作確認を行う精度検証センターの開設を進めておりました。
一方JTOWERは、通信事業者の通信設備を共用化するインフラシェアリングのサービスを屋内外で展開しています。屋外では、全国に7,200本超の通信鉄塔を保有し(2024年9月末時点)、通信事業者の共用利用を推進する「タワーシェアリング事業」を展開しています。この通信鉄塔は、携帯キャリアがネットワーク整備のために基地局やアンテナ等を設置する用途に加え、IoT関連設備、防災無線、カメラ、Wi-Fi、各種センサー等の設置場所として、多様な用途での活用が可能です。

メトロウェザーは2024年3月に、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「ディープテック・スタートアップ支援基金/ディープテック・スタートアップ支援事業」PCAフェーズ(実用化研究開発〔後期〕)に採択され、ドップラー・ライダー量産へ向けた精度検証にあたり、JTOWERの通信鉄塔を利用することを決定しました。精度検証にはドップラー・ライダーの設置場所の整備とともに、一定の高さに複数の風速センサーを設置することが必要とされます。そこで、JTOWERが全国に保有する約7,200本の鉄塔のうち、検証に適した立地、高さ、敷地等の条件を満たし、さらに、メトロウェザー本社(京都府宇治市)からのアクセスが良い大阪府柏原市にある鉄塔を選定し、精度検証センター開設に向け準備を進めてまいりました。

今回、JTOWERの既存鉄塔を活用することで、新たな設備を建設することなく、より効率的に大規模な精度検証センター開設が実現します。さらに、いつでも精度検証が行える環境となるため、研究や製品開発の進行にも寄与することとなります。またJTOWERは、既存通信鉄塔の利用用途拡大につながります。今後両社は、メトロウェザーの更なる体制強化に向け、JTOWERが全国に保有する通信鉄塔の利用拡大を検討していきます。

JTOWERとメトロウェザーは、精度検証センターの運用拡大にて今後も連携を強化し、ドップラー・ライダーの幅広い分野での社会実装を促進することで、世界の安全・安心の実現に貢献してまいります。

【メトロウェザー「ドップラー・ライダー」について】
ドップラー・ライダーとは、大気中の微細な塵に人体に無害な赤外線レーザーを照射し、その反射波を受信することで、三次元で最大半径15kmの風況を観測します。 現在は風況観測に加え、ドップラー・ライダーの技術を活用した物体検知技術を研究開発しており、さらなる小型高性能化を目指しております。

【メトロウェザー「柏原精度検証センター」】

柏原精度検証センター概略図

(目的)
メトロウェザーで行う、ドップラー・ライダーの研究や製品開発における鉛直風況精度検証及びメンテナンスの実施。

(精度検証方法について)
ドップラー・ライダーの研究や製品開発に加え、量産化における適合性確認や事業性評価については、事前に行う精度検証が重要となります。そこで、鉄塔3箇所にIEC61400-12-1規格のカップ式風速計に加えて、カップ式よりも風向・風速をより細かい精度で観測できる超音波風向・風速計を設置して風況を計測し、ドップラー・ライダーの観測値との比較検証を行います。これは、IEC61400-12-1の公的な認証が取れる精度検証であり、世界レベルよりも高い精度での検証を行います。

●超音波風向・風速計
向かい合わせた超音波送受信器の間を、超音波パルスがどれだけの速さで送受信されるかによって風向・風速を測定します。水平(2次元)だけではなく、鉛直/吹き上げや吹き下ろしなどの立体的(3次元)な風向・風速を高い精度で測定でき、機械的に動く構造ではないため、湿度や気圧などの周辺環境に影響されにくいものとなっています。

●カップ式風速計  ※IEC61400-12-1準拠
3個のカップで構成された風車の回転数で風速値を算出する風速計で、屋外や高所での風速測定に適しており、測定データの記録が可能なため、長期的なデータ観測に最適です。 

(施設概要)
敷地面積:494.8㎡
鉄塔高さ:85m

<ムービー>

<画像>

柏原精度検証センター全景
鉄塔に設置されている各種風速計
敷地の様子
ダッシュボードでのデータ確認
ドップラー・ライダー

JTOWERについて
(1)会社名:株式会社JTOWER
(2)所在地:東京都港区南青山2-2-3
(3)代表取締役社長:田中 敦史
(4)事業内容:国内外における通信インフラシェアリング 等
(5)設立:2012年6月15日

メトロウェザーについて
(1)会社名:メトロウェザー株式会社
(2)所在地: 京都府宇治市広野町茶屋裏18-1
(3)代表取締役社長: 古本 淳一
(4)事業内容: リモートセンシング技術を応用した大気計測装置の開発・製作・販売 等
(5)設立: 2015年5月13日

以上